13. 山椒魚が生息する荒谷の滝(荒谷町)

北日野地区自治振興会

日野神社境内の左横から、一本の遊歩道があり、しばらく歩くと、情緒ある小橋を渡り、約一〇分進めば「荒谷の滝」と書かれた木柱が立てられて開けた場所に出ます。ここから視線を上に向ければ、奥の方に流れ落ちる滝を見ることが出来ます。少し足場は悪いのですが、注意して岩場を登って行けば、滝に到着します。この滝壺から下流流の谷川に、希少生物の「サンショウウオ」が棲みついています。

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荒谷の滝の上辺にある「鏡岩」

荒谷の滝を登り切った、東北側の絶壁の上辺りに平坦なところがあります。ここには、白っぽい石板状の石がありますが、これを「鏡岩」といいます。それに関連した史料として「時水瀧 附(つけたり) 鏡ノ岩」という書き出しで 「北日野村荒谷なる山麓の麓の絶壁にかヽり、潤水瀑布となりて飛び 下には碧潭を凝らし、水清く」 また、「この瀧の東北にあたり絶壁の頂上に平坦砥の如き所ありて、その中央に鏡の如き形せる白色の岩石よりなれる平圓の所あり。それを鏡岩と称へ」とあることから、荒谷の滝は、往古において「時水の瀧」とも呼ばれていました。

荒谷滝  越前国名蹟考巻之四 より
 ◎日野山下ノ宮    
 ◎時水滝
南ニ日野山下ノ宮 同 時水ノ滝ト云瀑布アリ 漲五丈 幅八尺。絵図記 素良閑ざるに按ルニ 此瀑布下ニ山椒魚アリ。薬用ノ為 時々是ヲとる人アルヨシナリシ 今時ハ所々ノ山谷渓水ノ中往々ニ直スル由ナリ。山椒魚妻木直ニ云 
形大ク鮧魚ニ似テ四足ノモノハ漢名鯢魚。本草形小ニシテ産スルモノ
《漢名》源黒魚。物理小識

自然豊かな〝環境保護活動〟

日野山の大空を飛ぶ「クマタカ」「ミサゴ」

日野山に生息する大型の鳥類で、「タカ科」に属する鳥です。獲物は、鋭い爪を持った脚で捕まえます。小動物を獲物として、上空高く滑空して鋭い眼で地上の獲物を探し、見つけると両翼をたたんで急降下して捕まえます。「クマタカ」「ミサゴ」共に日野山に巣営していますが、クマタカは、両翼の裏側だけが白っぽく、ミサゴは両翼と頭部が白っぽくなっています。双方共に、日本全国に生息しているといわれていますが、希少価値の高い大型鳥類です。

川底に石を敷き詰めて自然環境保護

自然環境保護活動は荒谷町において、夏の夜空に舞うホタルの里づくりを行ない、集落の中心を流れる谷川には、底にこうした生き物の魚巣となる〝小石〟を埋め込み小さな生命が息づいています。

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